襟にもいろいろあって~古書の襟の由来と再現・ラペット編~

タティングレース

天草四郎でお馴染み、オランダの襞襟『ラフ』ですが、現在では見たことがないので、使いにくくて無くなったのかと思ったら、続編がありました。(前のお話が分からない方はこちらを参照 )

邪魔で使いにくい襞襟の糊を取ってフラットにして下に垂れ下げて使ったのです。

それをフォーリングバンド(またはヴァンダイクカラー)と言うそうです。

現在でも大きめ襟の縁にレース飾りがあるようなもの全般をこのように呼んでいます。今でも形を変えて残っていましたね!

今度は【ヴァンダイクカラー】の【ヴァンダイク】の方が気になって調べていたら、ちょうどルーベンス辺りの画家の名前だということがわかりました。

今でも彼の名前を使った、ヴァンダイクカラー(大きな襟)ヴァンダイクビアード(尖った顎髭)ヴァンダイクブラウン(濃い茶色)という言葉が残っているように、センスあふれるアーティストで、ファッションリーダーだったようです。

上のヴァンダイク作、チャールズ1世の三面肖像画にはその特徴的な髭と襟が描かれています。

そして彼がよく使ったといわれる特徴的な茶色【ヴァンダイクブラウン】はこちらかな?

ちょうど古書の襟のデザインを探していて、このVANDYKE LAPPETというものに当たりました。

おそらく、周囲がギザギザしているので、ヴァンダイクラペットというのだとは思いますが、これを絹糸で再現したい。

ラペットは、頭飾りや衣服の装飾的なフラップ、折り目、または吊り下げ部分です. 

英Wikipediaより引用

そうしてこのラペットがなんとか出来上がりました。

染めてもらっている糸がまだできないので、既存の色でとりあえず…

飾ってみたらあまあまあじゃないですか?

このラペットはジグザグを2本同じものを作り、後から真ん中を繋ぐのですが、出来てみたら真ん中がちょっとつってるので、指でピッピッと伸ばしてみたらたいへ〜ん!

芯糸一本に上からと下からパールタティングのように結っているだけなので、ブリッジを伸ばしたかったのにリングとリングの間も開いてしまった(≧∀≦)

シルクはどこまでもギュウギュウ締まってしまうので、リングがどんどん小さくなってしまうから、程よいところでやめて次のリングに行っていたので、伸ばしたら締まってしまったみたい。

さっきまで繋がってたのに…どうしよう。

全体画像は大丈夫ですが、アップにされると目立つ…真ん中だけやり直そうかしら…

2ロールで丁度いい分量だったのでデザインは変えられないので、ロックしたり、縛ったり、何かしら変更が必要かしら…

皆さんは作ったら伸ばさないか、ロックステッチを入れてくださいね(^_-)-☆

【古書再現シリーズ】Silk VANDYKE LAPPETキット

難易度★★★☆☆

1866年 イギリス THE COMPLETE TATTING BOOK MLLE RIEGOより

スプリットリングでギザギザに作った2本を、真ん中でつないでラペット(胸や頭に垂らす布)またはタイのように作ります。サイズ: 90cm×6cm 内容 絹穴糸・レシピ

そして頼んでいたヴァンダイクカラーの糸も染め上がりました。和名ではかわいく小鹿色です。

都羽根 絹穴糸 1000m 【52】小鹿色

都羽根 絹穴糸 1000m 
絹100% 

京育ちの美しさと伝統が息づく、家庭用ぬい糸の最高級品
アクセサリーやドイリーに。
ショールや大作に。

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