ちょうど一年前に、面白い資料を見つけたことから、タティング製造機なるものを再現してみたお話です。
ミシンや編み機などと違い、タティングの場合人間と同じ動きをしなければ自動化は無理のようですが、さてどうでしょう・・・
偶然見つけたタティング製造機の特許資料
デジタルアーカイブ(On-Line Digital Archive of Documents on Weaving and Related Topics)
でアメリカ特許庁の【タティング製造機】なる資料を発見しました。
1861年に発行された、コネチカット、ハートフォードのDAVID F RANDALLさんの特許証第31,624号の仕様書とあります。
え~?何だこれ?タティング作る機械????
解読開始するも中々進まず
英語が古いのか、公文書なので小難しいのか、なかなか説明の細かいことがわかりませんでしたが、Google先生と、想像力で何とか概要がわかってきました。
古いやり方だと両手がふさがるが、この机に固定したフレームを使用して新しいやり方ですることによって、両手で持っていなくてもよくなり、2本目の糸(ここがミソのようです)をすっと引くと、スカラップ(波型のレースのふち)ができそのまま次のスカラップをどんどん連続で作ることができるということのようです。
この特許が取られたのは1861年3月5日 リンカーンがアメリカ大統領に就任した次の日です。
日本では文久元年。まだ江戸時代です。
1864年にRiegoがチェインを本で紹介しましたので、このころのタティングはまだリングのみ。
ほぼふち飾りなどに縫って付けられていた時代ではないかと思います。
道具を使って次々にスカラップを生産しなければいけないほど、職人が忙しかったのかどうかは不明です。
シャトルの絵もありますが、まだシャトルの解読はできていません。
再現に挑戦!?
フレーム本体は古い手鏡でも使って細工しようと思ったのですが見つからず、メルカリで『パチンコのゴムなし』と言うものを見つけてそのまま使いました。
ネジプランクはヤフオク、ネジは100均で。
糸掛けは、釘ではくるくるしてしまうので、ミシンの糸案内を使って引っかかるようにして、後はネジくぎを使いました。
設計は160年前の特許証から、構想は中田本人、組み立てはなぜかノリノリで手伝ってくれた主人作。
テーブルに固定し、シャトルではなく巻き糸を一周して芯にし、シャトルで目を作り、巻き糸を引くとスカラップ模様ができ、次々に続けて作れます。
はい、おっしゃっている意味はわかりました!
タティング製造機は必要か?
私本人としては、手の方が早いかも⁉︎と思いますが、職人さんがずっと続けるには楽なのでしょう。
実際に、大量生産に使われていたかどうかはわかりませんが、良ければミシンのように残っていると思いますので、あまり便利ではなかったのではないかと思います。
バイトと遊びで古いフィルムのような動画を撮りましたので、よろしければご覧ください。
タティング製造機の動画はこちら
実際はロープのような太い糸で袖や襟の縁取りを作っていたと思われます。
今の糸では細すぎであまり有効とは思えませんでした。
ああ気が済んだ! 次は何をしよう(^_-)-☆
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