民藝・手芸・ハンドメイドで考える~タティングレース~

カルチャー

GWにどこにも行っていなかったので、近所の世田谷美術館に行ってきました。

新緑がきれいな公園の中で『民藝』の展示が開催されていました。(写真が撮れたのはここだけです)

民藝とは

この展示は、暮らしの中にある美をテーマに、衣・食・住にちりばめられた民藝の数々と、今も続く手仕事、それを受け継ぐ職人さんたちにスポットを当てていました。

民藝を広めようという運動があったことも今回初めて知りました。民藝という言葉もこの時にできたとは・・・

「民藝」とは「民衆的工藝」の略語で、柳宗悦らによる造語。
1926年(大正15年)に柳宗悦、富本憲吉、河井寛次郎、濱田庄司が連名で「日本民藝美術館設立趣意書」を発表したことが、運動の始まりとされる。全国の民藝館などで運動が続けられている。

日本民藝館の創設者であり民藝運動の中心人物でもある柳宗悦は、日本各地の焼き物、染織、漆器、木竹工など、無名の工人の作になる日用雑器、朝鮮王朝時代の美術工芸品、江戸時代の遊行僧・木喰(もくじき)の仏像など、それまでの美術史が正当に評価してこなかった、西洋的な意味でのファインアートでもなく高価な古美術品でもない、無名の職人による民衆的美術工芸の美を発掘し、世に紹介することに努めた。

Wikipedia民芸運動より抜粋

生活の中に埋もれて使われてきた日常の道具の中にも美を見出し、広め、保存しようという運動があったということですね。

手芸・民藝としてのタティングレース

残念ながら、今回展示の中に手芸というものは刺繍や織物、染物、竹籠などの展示しかありませんでしたが、エスニック雑貨を20年扱ってきた私には、どれもこれもなじみのあるものばかりでした。

中でもゴールデン・カムイから気になっているアイヌ刺繍や、紅型は私の大好きな民藝です。

縄ポシェットのようなものはありましたが、レースはありませんでした。

やはり、西洋の工芸なのかもしれません。

市川圭子さん著の『アンティークレース』の中でタティングレースは、ボビンレース、ニードルレースと区別され、クロシェレースなど同じ『手芸レース』に分類されてます。

貴族の豪華絢爛な芸術的なレースとは違い、庶民が手軽に作れて身に着けられたという点では、タティングレースも民藝だったのではないかと思います。

ハンドメイドとしてのタティングレース

ハンドメイドとは文字通り『手で作る物』という意味があります。

ハンドメイドという言葉自体に、最近はアクセサリーなど小さいものを作って販売する『手作り市』のようなイメージすらあります。

そこには、ぬくもりや手間は感じられるものの『美』というイメージは実は私にはありません。

私にないのだから、一般の方にはもっとないと思います。

芸術までいかないまでも、『手芸』『ハンドメイド』を『民藝』の域に押し上げるには、そこにある『美』を見出し、広めていかなければならないのかもしれません。

ハンドメイドと一言では言いたくない新刊です。そこにある『美』を見出してください。

タティングレースのモチーフ&ドイリー (applemints) 

タティングレース好きにはたまらない、約3〜10cm程度のモチーフと、15〜30cm程度のドイリーの作品集。

モチーフ、ドイリー共に形は正円、楕円、四角形など様々。

モチーフ、ドイリー共に定番のホワイト系1色で編んだものから、黒1色で編んだシックなもの、ドイリーは色使いが楽しいものまで合計33点掲載。

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