9月9日は「重陽の節句」です。
日本ではあまりなじみはないのですが、平安時代には中国から入って来ていたそうです。
中国では、奇数の日は縁起のよい「陽の日」とされ、3月3日や5月5日、7月7日など陽が重なる日を節句としましたが、一番陽の気が強い9が重なる9月9日を「重陽の節句」と呼び、一番お祝いするのだそうです。
なんでそんなに「重陽の節句」が気になるのかと言えば、チャン・イーモウ監督の『王妃の紋章』という映画が大好きだからです。
コン・リー、チョウ・ユンファが主演と言えばどんなにすごい映画かお分かりいただけるでしょう。
だいぶ古いですが、公式っぽいのでこれを置いておきます。
豪華絢爛の金と赤が基調の衣装や城内が印象的で、そこでコン・リー王妃、チョウ・ユンファ王夫妻が、ドロドロの争いを繰り広げます。
中国らしい一大スペクタクルで、内容は好みでない方もいらっしゃるかと思いますが、前からの私の映画の癖(ヘキ)をご存じの方には、大好物だとお察しいただけることでしょう。
この映画では、「重陽の節句」が舞台となり、菊の花もふんだんに登場します。
そして重要なアイテムとなるわけなのですが、そこはネタバレとなるのでやめておきます。
ところで原題の『满城尽带黄金甲』というのは、科挙に落ちて反乱を起こした黄巣の漢詩に由来しているそうです。
試験に落ちて悔しく、『重陽の節句のころには黄色い花びらの付いた甲冑(黄巣の軍)がお城を占拠するだろう』という負け惜しみを詠った句だそうです。
この映画とは違う話なのですが、うまく切り取って使っていると思います。
対して邦題は『王妃の紋章』
中国には家紋という概念はないそうですが、あえて王妃の軍が纏った菊の花を家紋に見立てて邦題としたのでしょう。
菊の紋章と言えば、日本では天皇家の家紋が有名です。
気軽には使えないと思いますので、Wikipedia菊花紋章のリンクにとどめておきます。
タティングで十六葉菊を作るのは至難の業だと思いますので、明治時代の八葉菊を入れたデザインを。
日本で最初にタティングレースが紹介されたとされる
明治10年(1877年) 「童女筌」文部省発行 より
タッチングレース
「スタール、ペテルン、コーヴェレート」即チ星形紋ノ被物 の再現レシピ
真ん中に八葉菊のような模様があります。
また、紋章風ということで、エリザベス女王にちなんで作ったピアスもあります。
PRICILLA Tatting Book No.2 1915 年 Fig.4 Insertion よりアレンジ
エリザベス女王の在位70年のプラチナジュビリーを記念して、女王のイメージカラーのラベンダー色の絹糸と、パールのような色の丸小ビーズ、ピンクゴールド金具を使って、紋章のようなピアス(イヤリング)にしました。
「重陽の節句」には、菊のお酒や、菊のお茶を飲んだり、栗ご飯を食べたりして不老長寿願うそうです。
菊には精神を安定させる作用があるそうですが、映画内でコン・リーは終始イライラしていたので、効果は不明です(>_<)
私は菊茶や菊を食するのは苦手なので、栗ご飯を採用しようかな。
台風は気になりますが、重陽の節句を記念して今日は菊の仏花を買って帰るとしましょう。
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