無料は怖くない?
プレゼント企画、フリーレシピ、無料動画、無料レッスン……
今タティングだけでなく、ハンドメイドやそのほかの分野でも無料のものにあふれています。
お客様や、趣味の方はいいでしょうが、企業はどうなのでしょう・・・
【タダほど怖いものはない】は死語になったのでしょうか?
『無料のレッスンしかしない』と無料動画やお試しレッスンばかりを渡り歩く方がいらっしゃいますが【無料から有料にもっていかれるのが怖くてお試しもできない】というのは時代遅れなのでしょうか?
フリーミアムってなんだ?
デジタル物は遅かれ早かれ無料になる
クリス・アンダーソン「free」
10年以上も前に発表されたこの本の通り、世の中のデジタルサービスはほぼ無料になりつつあります。
フリーミアムという言葉がありますが、フリーミアムとはfree(無料)+premium(有料) 無料のサービスによって人を広くひきつけて、そのうちの一部に(基本サービス以上のサービスを有償で買ってもらうというビジネスモデルです。
私もYouTubeは無料で使っていますし、画像も自分のもの以外は無料の画像サイトのものを使っています。
趣味の映画やドラマを見るためには、NetflixやAmazonプライムの有料会員になりました。
自分自身もこの無料の部分でたくさんの人を引き付けて、一握りの有料会員で利益を得ようというビジネスモデルを活用しているのです。
今後デジタルコンテンツをビジネスにしようとする場合、この【フリーミアム】は不可欠になってくるのではないでしょうか。
無料と有料の差がこんなに
流行に乗ろうというわけではありませんが、外出がままならなかった2020年、2021年に、当店でもオンラインイベントを開催しました。
コロナ特別枠の補助金をいただくために、ビジネスのオンライン化を推進しなければならなかったのです。
タティング業界でいち早く開催しただろうオンラインイベントの【タティングまつり】では、たくさんの方がご参加くださいました。
しかし、無料の部分に200名ほどの視聴者がいらっしゃったのに、有料部分になったとたんに2~3名ほどになり、また無料の時間になると200名が戻っていらっしゃるという結果に終わりました。
目の付け所は良かったのですが、有料部分に持っていくにはまだ経験不足だったのです。
なぜ無料にできるのか
無料で情報が何でももらえる時代、インターネットでも無料のレッスン動画が出回っています。
無料でできるのはなぜでしょう。
- レッスンに来てもらうための宣伝
- 広告収入狙い
- みんなで楽しみたい仲間意識
- お金は取りたくないというボランティア精神
などでしょう。
でも、講師やお店はお仕事でしていますので、無料にできるはずがありません。
それは、会社に行って仕事をしたのに、お給料をもらえないのと一緒なのです。
それでも時々お試しに無料にしたり安くしたりするのは、レッスンや商品の宣伝の為であるからです。
無料が支持されるのは確かですが、個人事業が【フリーミアム】を実践するには、その先の有料の部分に持っていくために、かなりのアイデアと、莫大な時間と経費が必要なのです。
コロナ禍でのレッスン
ご家族の都合や、ご自分の体調や、様々なご事情が目白押しで、遠くまで決まった時間にレッスンに行くのは難しい方が多いタティング世代。
その上、感染症も気になり、外出がままならなかったこの2年間。
有料のオンラインレッスンや動画レッスンやキットをたくさん作り、有料でも習いたい、買いたいと思ってくれる方のおかげで何とか乗り越えて来ました。
フリーの部分だけではなく、プレミアムの部分も徐々に増えていったように思います。
プレミアム会員のみのオンラインレッスンを記録したレッスン動画付のキットも、1年経ったものはこちらから一般に販売になっています。
今後はどうなるのか
ハンドメイドに限らず、デジタルコンテンツはいずれ無料になっていく運命にあります。
ボランティアではないので、どこまでが無料で、どこからが有料なのか、その境目の試行錯誤は必要です。
- 途中までを無料で公開してその先は有料にする
- レッスン中継を無料にして、レシピや材料を有料にする
- 基礎部分は無料で、新しい技法やデザインを有料で発信する
- (将来的に)どこもやっていないVRレッスンなど新しいことをする
など、目まぐるしく変わるデジタル社会に備え、常に考え、変えていかなければならないでしょう。
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