タティングをするときに使うシャトルはどれがよいか、たくさんあって迷ってしまうことはありませんか?
タティングに使われるシャトルについて、よく訊かれますのでお話しします。
シャトル (shuttle)とは
機織り作業において、緯(よこ)糸を通すための用具。杼(ひ)、「かい」とも言われる。
シャトル (織物) – 織物を織る時に使う道具。
シャトル (レース) – レースの道具(タティングレースで用いる)。
上記を語源として、往復を繰り返すものにシャトルの名が付けられる。訳語として「往還」の語をあてることがある。
引用:Wikipedia
往復して繰り返すもの、またはその道具をシャトルと言います。
シャトルバスや、スペースシャトルもこれを語源としています。
シャトルの起源と歴史
タティング用のシャトルは、いつ、どこでつくられたのか・・・というのは正確にはわかっていません。
織物用に使われる前に、船乗りが網を直す時などに使っていたのですから、始まりはおそらく紀元前になるのかも知れません。
エジプトの壁画にもこの舟形の道具は描かれているとのことです。
レース糸を結ぶ道具として流行り始めたのは18世紀ごろで、そのころはまだタティングの前身のノッティングと呼ばれる技法のシャトルでした。
ノッティングとは、糸や紐に結び目を作り刺繍のようにその結び目付きのコードを服などに縫い付ける技法で、これは中国の手法を模倣したようです。
そのシャトルですので、指の間をくぐらせることはなく、ぐるりと一周できればいいので、今のように6〜7㎝前後というわけではなく、倍の15㎝ほどあったそうです。
そのため手が小さく見えるとのことでよく貴婦人の肖像画に描かれました。
有名な7歳のマリーアントワネットの肖像画にも描かれています。
Watercolor of Archduchess Maria Antoina at the age of 7 (portrait by Jean-Étienne Liotard, 1762)
それはマザーオブパール(白蝶貝)や象牙、螺鈿、金や銀の装飾などが施された豪華なもので、男性からの最高のプレゼントだったそうです。
19世紀になるとシャトルを生産する会社もあったのですが、あまりに一般的な形の為、特許は取れなかったそうです。
引用:Heidi Nakayama Tatting shuttles of American collectors
シャトルのいろいろ
今では100円ショップで3個入りが売られるほど、一般的にプラスティックが使われ、大量生産できるようになりましたね。
シャトルにはいろいろな種類がありますので、当店で販売しているシャトルをいくつかご紹介します。
- 角付きシャトル
- 角なしシャトル
- Lシャトル
- かぎ針付きシャトル
海外のかぎ針付きシャトルよりかぎ針が細く短いので、普通の角付きシャトルのように使える
かぎ針を使う方で持ち替えるのが面倒な方に便利
糸の巻き方で、かぎ針の向きを左右どちらの方向にもできる
- ボビンシャトル
シャトルが1つでも、ボビンを入れ替えることで2つ以上のパフォーマンスができる
替え用ボビンがあるので、糸を外さず色を変えられる。
カチカチと音がしないので、静か
カチカチとシャトルを回せないので、糸の調整はボビンを手動で回す
- その他のシャトル
Celtic Acrylic Shuttle set of 2 (アクリルケルティックシャトル2個セット)
糸をくるくると交差させるケルティック模様を作る際、糸を切らずにくぐらせることができるよう細長くつくられたシャトル
Favorites of shuttle(オリジナルシャトル)
ドイツ製ポリマークレイを使った猫の目工房特製ミルフィオリ(金太郎飴細工のような棒状の模様)を透明樹脂で何層にもコーティングしたオリジナルシャトル
イギリスのペイントシャトルや、手作りシャトル、オリジナルカラーのシャトルなど、いろいろなシャトルがあります。
当店がオープンしたころには、ミャンマーからこのような水牛の角で作った素朴なシャトルも入荷していましたが、今はお取り扱いはございません。
どのシャトルがよいか
これもよく訊かれるのですが、これは人それぞれで、使ってみないとわかりません。
好みもあると思いますが、どのような作品を作るか、用途によっても違うので、いろいろお試しになるといいと思います。
はじめてタティングをされる方には、個人的には一番最初のクロバーの角付きシャトルをお勧めします。
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